大好きな映画監督のひとり、ウェス・アンダーソンの新作映画『Fantastic Mr.Fox』です。
今回は初となるストップモーションアニメ(コマ撮り)のパペットアニメーション(人形アニメ)に挑戦されたそうです。
ウェス・アンダーソン監督は『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』や『ダージリン急行』などのスタイリッシュでちょっとシニカルなコメディータッチの作品を製作しています。
原作は、『チャーリーとチョコレート工場』の原作者で、数多くの風変わりな児童文学を手掛ける、ロアルド・ダールの『父さんギツネバンザイ』です。
ウェス・アンダーソン自身も彼の大ファンで児童文学以外の彼の著書も、いろいろ読んでいたそうです。
その原作をアンダーソンが脚色して話をふくらませ、「ウォレスとグルミット」のトリスタン・オリヴァーが撮影を手掛け、独特のスタイリッシュなウェス・アンダーソン作品として出来上がったのが『Fantastic Mr.Fox』(ファンタスティック・ミスター・フォックス)。
ひとつひとつ丁寧に手作りされた人形は、瞳や毛など細かく動く精巧さなのに、ハンドメイド感の温かみがあります。
また相変わらず、色彩と選曲のセンスが抜群で、ウェス・アンダーソン独特の映像美と音の世界に引き込まれてしまいます。
予告編です。映像すごいです。
FANTASTIC MR. FOX - Official Theatrical Trailer
声優は、オーウェン・ウィルソン、ジェイソン・シュワルツマン、ビル・マーレイといったウェスファミリーはもちろんのこと、ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープといった豪華なメンバーです。
モグラのピアニストが「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディだったり (ダージリン急行にも出演していましたが)、配役もちょっとおもしろいです。
ウェス自身と弟のエリックも声を担当しています。
音声を録る時、本当に俳優達が駆け回りながら演技をしていたそうです。普通にブースで録音するのとの最大の違いは、アクシデントが起きることだそうです。
イギリスの田舎が舞台です。
ミスター・フォックス (ジョージ・クルーニ) は最愛の妻 (メリル・ストリープ) と息子の子ギツネ (ジェイソン・シュワルツマン) と地下の穴蔵で平和に暮らしていましたが、引っ越しをすることにしました。
新居のブナの木はとても眺めが良く、意地悪な3人の農場主の鳥小屋が見え、たまらず相棒を誘って鳥小屋を襲ってしまいます。
農場主達は激怒して、大掛かりなきつね狩りを始めます。
しかし、賢いミスター・フォックスは妻と子供を守るために、機転を利かせ人間達の裏をかいて仕返しをします…というお話です。
原作にはないのですが、豪快で万能な父親に認められたい息子が、優秀な従兄弟と張り合う…というウェス・アンダーソンが他の作品でも描いてきたテーマ、父親と息子の関係も描かれ、作品をより盛り上げています。
ロンドンのGAPや、ニューヨークの高級百貨店バーグドルフ・グッドマンなどのショーウィンドウにも、このパペット達が展示されていたようです。
日本でもそのうち展示されるでしょうか。
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』では、オーウェン・ウィルソンと共にアカデミー賞脚本賞にノミネートされました。
今回、2年もの歳月を掛けて製作されたこの映画は、第82回アカデミー賞長編アニメ賞のノミネート対象作品に選ばれたそうです。
正式なノミネート作品にも選ばれるといいですね。
日本公開が楽しみです。
※追記:2011年3月19日(土) シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
日本の公式サイトです。
⇒ 映画『ファンタスティックMr.FOX』公式サイト
オフィシャルサイトも今回もとっても素敵です。ここでも、アンダーソン色いっぱいです。
⇒ Fantastic Mr.Fox
ダージリン急行のDVDサイト。これもとっても素敵です。
⇒ The Darjeeling Limited DVD
ダージリン急行のオフィシャルサイトです。
⇒ 日本語オフィシャルサイト
⇒ オフィシャルサイト