ティム・バートン監督『アリス・イン・ワンダーランド』


先日、ティム・バートン監督作品『アリス・イン・ワンダーランド』を観て来ました。
ティム・バートンの世界観とディズニーな感じが融合した映像がとても素晴らしく、アリスもキャラクターも可愛く、ストーリーもわかりやすく、楽しかったです。

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しちごろにとって”アリス”というと、ヤン・シュヴァンクマイエルの『アリス』のイメージがすごく大きいのですが、ティム・バートンのアリスの世界が観れるということで、とっても楽しみでした。
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最初企画のアナウンスがあった時は、ディズニーの『ふしぎの国のアリス』のリメイクかと思いましたが、大人になったアリスのオリジナルストーリーと知り、期待感が高まりました。キャラクターや背景は『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を入り混ぜてますが、ストーリーは不思議の国にもアリスにも時間が経っていて、原作にはない、不思議の国の住人たちの運命を賭けた戦いと、アリスの心の成長を描いた冒険物語となっています。

原作を知らなくても、忘れてしまっていても、楽しめる作品だと思います。

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19歳の年頃の娘になったアリスは、母親に連れられ富豪たちの集まるパーティーに出席します。
そのパーティーの真相を知り、困惑するアリスの目に、服を着ている白うさぎの姿が映ります。
アリスは白うさぎを追いかけているうちに、うさぎの穴に落ちてしまいました。

アリスがうさぎの穴から迷い込んだのは『アンダーランド』と呼ばれる不思議な国でした。
アリスは6歳の時にこの国に来たことを、すっかり忘れてしまっていました。
なのでこの不思議な場所も奇妙な住人たちも、ただの悪夢だと思い込みます。
でもなかなか夢から醒めません。

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奇妙な住人たちは皆、アリスのことを知っていました。
この国の年代記には、残忍な赤の女王に支配されたアンダーランドを救うため、アリスという救世主が現れるとの預言が記されていて、奇妙な住人たちの唯一の希望だったのです。

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マッドハッターは三月うさぎと一緒にティーパーティーをずっと開き続け、アリスの帰りを待っていました。
またかつてアンダーランドを統治していた白の女王も、アリスの力を借りて王座を奪還するため、アリスが現れるのを心待ちにしていました。

アリスはいつしか運命を賭けた戦いに巻き込まれていくのですが…。
といった感じのお話しです。

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登場人物はみんなちょっと変。
イカれ帽子屋のマッドハッター、残忍で頭でっかちな赤の女王、美しく慈悲深いとされる白の女王もちょっと変w。

そんな変てこなキャラたちも、ティム・バートンだからなのか、クドくなく憎めない可愛らしさがあって良かったです。

特にマッドハッターは原作とは違い、だいぶいい人で重要なキャラになってました。
もっとイカれちゃってる感じなのかと思ってたのでw。
でもこういった、ちょっと変だけど、でも…という、愛嬌あるキャラたちが、この映画のテーマのひとつなのでしょうか。

主なキャストさんです。
アリス・キングスレー:ミア・ワシコウスカ
:「ディファイアンス」「Amelia」他。来年公開予定の「Jane Eyre」主演、ガス・ヴァン・サントの新作映画「Restless(原題)」出演。
マッドハッター:ジョニー・デップ
:「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」「チャリーとチョコレート工場」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「Dr.パルナサスの鏡」他。
赤の女王(イラスベス):ヘレナ・ボナム=カーター
:「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」「チャリーとチョコレート工場」「ハリー・ポッター シリーズ」他。
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白の女王(ミラーナ):アン・ハサウェイ
:「レイチェルの結婚」「プラダを着た悪魔」「ブロークバック・マウンテン」他。
ハートのジャック:クリスピン・グローヴァー
:「9 ~9番目の奇妙な人形~」「チャーリーズ・エンジェル」「カウガール・ブルース」「ギルバート・グレイプ」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」他。
イモ虫(アブソレム):アラン・リックマン
:「ハリー・ポッター シリーズ」「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」「ダイ・ハード」他。

ジャバウォッキー:クリストファー・リー
:「チャリーとチョコレート工場」「ティム・バートンのコープスブライド」「スター・ウォーズ エピソード2,3」「ロード・オブ・ザ・リング シリーズ」「吸血鬼ドラキュラ」他。
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白ウサギ(マクトウィスプ):マイケル・シーン
:「クィーン」「アンダーワールド シリーズ」「ジキル&ハイド」他。
三月ウサギ:ポール・ホワイトハウス
:「ティム・バートンのコープスブライド」他。
チェシャ猫:スティーヴン・フライ
:「Vフォー・ヴェンデッタ」他。
ヤマネ(マリアムキン):バーバラ・ウィンザー
:イギリスのTVドラマ「イーストエンダーズ」他。
トウィードルダムとトウィードルディー(奇妙な双子):マット・ルーカス
:「アストロボーイ」他。
ドードー鳥:マイケル・ガフ
:「ティム・バートンのコープスブライド」「スリーピー・ホロウ」「バットマンシリーズ」「吸血鬼ドラキュラ」他。
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ティム・バートンは、昔から好きな映画や影響を受けた映画の俳優さんなどを、よく自分の作品に起用してますね。

それと今回のヘレナ・ボナム=カーターが演じる赤の女王は、デザインといい、キャラの感じといいとても良かったです。
残忍なのにかわいい。

製作は「PLANET OF THE APES/猿の惑星」からここ最近のティム・バートン作品を多く手掛けるリチャード・D・ザナック

脚本は「美女と野獣」「ライオン・キング」など、多くのディズニー作品を手掛けるリンダ・ウールヴァールトン
2012年公開予定のディズニー映画「The Snow Queen」と2013年公開予定の「Maleficent」の脚本も手掛けるようです。
Maleficent』はティム・バートンが監督に決まったようです。眠れる森の美女に登場する魔女マレフィセントの視点から描くスピンオフ(?)作品のようです。

そして今回も音楽は、元「オインゴ・ボインゴ」のダニー・エルフマン
「エド・ウッド」「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」以外のティム・バートン作品を手掛けていて、ティム・バートン作品には欠かせない存在です。

▼ トレーラーです。

やっぱり映像がとっても良かったです。
最初から最後、エンドクレジットまで世界観がとても良かったです。

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最初のアリスが入って来た扉の感じとか、森のシーンのきのこたちや木々の感じとか、わくわくしました。

赤の女王のお城も白の女王のお城も、外観や内部のデザイン、インテリア、衣装などもとても素敵でした。

エンドクレジットの前半部分が3Dになってたのですが、それが素晴らしかったです。
とても綺麗で、3Dの特徴をとてもうまく使っているというか。素敵でした。

しちごろは今回が初3D映画だったので、物がビュンビュン飛んで来たり立体感とかいろいろな面でだいぶ期待してたんですがw、思わず手が出ちゃったりとかw、でもそこまでではなかったです。
もちろん2Dでは味わえない衝撃がたくさんあったので楽しかったです。
後で知ったのですが、もともと3Dカメラで撮影していないそうなので、3D映像といってもちょっと違うんですかね。

映像に集中したいと思い吹き替え版にしたのですが(どんだけ気合い入れてんだって感じですけどw)、これは失敗だったかなぁ。余計子供向けっぽくなった感じが。
ディズニー作品だから字幕でもあまり変わらないかな。
でも深田恭子さんの白の女王、良かったです。クレジットで知って驚きました。

世界観と映像美が素敵な冒険物語でした。おもしろかったです。
原作を知らなくても楽しめると思いますよ。
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YouTube のアリス・イン・ワンダーランドのオフィシャルページに、「原作者 ルイス・キャロルがくれたメッセージ」という特別映像がありました。
前編、後編ありますが、合わせて13分ほどです。
アリス誕生秘話や、後編にはティム・バートン監督のインタビューも少しありますよ。

紹介文…『映画「アリス・イン・ワンダーランド」がもっと楽しくなる!映画を観る前に、是非ご覧ください。映画をもっと楽しめます。映画を観た後にご覧いただくと、もう一度映画がきっと観たくなります。』

オフィシャルサイトはこちらです。
アリス・イン・ワンダーランド オフィシャルサイト
Alice in Wonderland – Disney
Disney.co.uk – Alice in Wonderland

YouTube のオフィシャルページです。
他にもトレーラーやインタビュー、特別映像が見れますよ。
アリス・イン・ワンダーランド Alice Movie JP
Disney Movie Trailers
Walt Disney Studios Motion Pictures, UK

画像はすべてトレーラーからです。
ティム・バートンが製作を手掛けた『9 ~9番目の奇妙な人形~』が今週末公開です。
また、ティム・バートンの1984年の短編作品を、ストップモーションアニメーションで長編映画化する『フランケンウィニー』と、ジョニー・デップがとても影響を受けた1966年~71年に放映されていた、吸血鬼や狼男などが登場するTVドラマ『Dark Shadows』の映画化をジョニー・デップと共に進められているようで、来年公開予定です。
2013年はディズニーの『Maleficent』を手掛けるようです。
そして『アダムス・ファミリー』の3Dストップモーションアニメーションを企画しているようですよ。

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コメント(2件)

  • ケッツアール さんより

    どうも、今回は当ブログに来てくれましてありがとうございます。
    私的に、今回のアリスはティム・バートンらしさが弱かったような印象でしょうか。
    もう少し、下品な表現を出しても良かったのではないかと感じました。下品というのは、キャラクターの愛嬌になるわけで、キャラクターが少々残念だったというのが私なりの感想でしょうか。
    ちょっとハッピーエンドにしてしまった処も少々残念かも。
    昔は、あまり気がおかしいと、頭を手術して閉塞的な環境で一生を過ごすのが精神病の治療療法なんですよね。
    アリスが精神病患者という観点は非常におかしな見解ですみません。
    次は、時をかける少女で一躍ブレイクしてきた、あの方のゼブラーマンを観にいこうかと思っております。
    日本ではなかなかこうゆう独自の世界観の作品って邦画では珍しいので、和風バットマンみたいになっていくと面白いんですけどね。
    歌舞伎座の閉場式に参加してしまい、歌舞伎座が無くなってしまうということでブログがかなり怠慢になってしまいました(汗)
    そろそろ復活しますので、再度訪れてくれると有難いかと思います。
    動画もそろそろ卒業しないと・・・

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      CHR (管理人)より

      ▶ケッツアール さんへ

      成長したアリスと聞いた時まず、アリス イン ナイトメアというゲームを思い出しました。
      重度の精神病で病院に隔離されていたアリスが成長してからまた不思議の国に戻る設定のホラーゲームなのですが、世界観がとても良かったです。

      今回のアリスは、ティム・バートン作品への期待感は抑え気味にして内容はディズニー作品のイメージで、映像重視で見に行きました。私もティム・バートン作品と思うと同じく残念な印象を受けました。感想をどう書くかだいぶ悩みましたw。子供向けの冒険物語として、原作を知らなくても楽しめる作品かなと。

      もともとディズニーだったし今後もディズニー作品を手掛けるようで、作品が変わって行くのかなと淋しくも思いましたが、他にもいろいろと撮られるようなので、制作費目的もあるかもしれないと思いw、今後の作品に期待です。

      ゼブラーマンはおもしろかったですねー。今回も楽しみですが私はレンタル待ちです。
      歌舞伎座はきっとケッツアールさん達にとって聖地のような場所なんだろうなと、私などに掛けられる言葉は見つからないのですが、またいろいろな記事を楽しみにしていますね。

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