オランダのアムステルダム在住のアーティスト Ronald van der Meijs さんのサウンドインスタレーション作品『Exploring earthly sounds for nine candles』です。
9本のサイズの異なるキャンドルが演奏者となり、燃えることで9本の長さの違うパイプオルガンのパイプの音をゆっくりと不規則に変化させ、地球の音のような瞑想的な音を生み出しています。
Exploring earthly sounds for nine candles
アポカリプティック・サウンドみたい。ビジュアルもかっこいいです。
作品は9本のオルガンパイプに垂直に真鍮のキャンドルスタンドが設置されていて、騒音を消すためのゴム製のカバーが付いたエアポンプと各パイプが木製のエアダクトでつながっています。
エアポンプが圧縮された空気をエアダクトに吹き込み、とても低いベーストーンのブーンという音を発生させています。
キャンドルが燃えて短くなることで設置している各装置が垂直に上昇し、真鍮のバルブにワイヤーで接続されたホイールを引っ張ります。キャンドルが燃えるのと同じスピードで各オルガンパイプの前方にある真鍮のバルブを開いていきます。それによりオルガンパイプの空気柱が短くなり各パイプの音色が高くなるそうです。
キャンドルは異なったサイズになっていて、それにより全体的な音が常に変化し、振動するベースリズムに豊かな多様性がもたらされます。また音は瞑想的な雰囲気を引き起こします
一番小さなキャンドルは1日の展示時間で役目を終えるため毎日交換しますが、一番太いキャンドルは5日以上もつそうです。
展示会場はオランダのハーレムにある聖バフォ教会に隣接していて、天井がガラス張りになっていて教会が見えるそうです。
聖バフォ教会にはモーツァルトやヘンデルも演奏したという有名な巨大なパイプオルガンがあり、この作品もそのパイプオルガンにインスパイアされたそうです。
会期は2016年12月17日〜2017年1月22日までなので終了してしまいましたが、Ronald van der Meijs さんの個展「On the edge of mystery, where discoveries take place」で展示されたようです。
[All Image via www.ronaldvandermeijs.nl ]
こちらはメイキング的なトレーラー映像です。
Ronald van der Meijs Trailer
上の動画にターンテーブルを使った別のインスタレーション作品があり気になったので探しました。
音の波紋を作るサウンドインスタレーション作品『Clouds of knotted sound』です。
Clouds of knotted sound
2種類のサウンドボウルをそれぞれターンテーブルで回転させ、トーンアーム部分に付けられたロールをボウルの縁にセットするとゴム摩擦で音が奏でられるそうです。
ボウルの中には水を張り、その水量で音の高さが変わるそうです。また水面には音の波紋が作られ、設置場所の音場によって変化するそうです。
この教会の静かな会場でこの二つのインスタレーションの共演が奏でられるこの空間を体感してみたいです。
Ronald van der Meijs さんはオランダのブレダにある芸術学校、セント・ヨースト・アカデミーで空間デザインの教師を3年間勤め、その後自分の作品を模索し2001年以降、建築とアート、サウンドが融合した自律的な作品にシフトし作り続けているそうです。
Ronald van der Meijs さんのサイトです。
▶︎ www.ronaldvandermeijs.nl