まるで景色を瓶に詰めて集めているようなとても素敵なアート写真です。
フィンランドの現代写真家 Christoffer Relander さんが現在取り組んでいるプロジェクト『Jarred & Displaced』の作品です。
Photoshop のような画像加工ソフトなどは一切使用せず、アナログな撮影技法である多重露光で撮影されたそうです。
△All Images Copyright by Christoffer Relander
詰め込まれた風景はフィンランドの Christoffer Relander さんが生まれ育った地域や南方の田舎の地域で、子供の頃とあまり変わらない景色をコレクションしているそうです。
Christoffer Relander さんは普段はプロのカメラマンとして Adobe や Nikon を始め多くの企業や団体とのお仕事をされているそうです。
このプロジェクトのページです。他の作品も見れます。またサイトで申し込めば博物館級の高品質紙に顔料で印刷された作品を買えるそうです。
▶︎ JARRED & DISPLACED [christofferrelander.com]
このプロジェクトのメイキング的な紹介ビデオがあります。
紹介ビデオといっても会話や言葉での説明などはなく、モノクロのアートフィルムのような作品です。
Jarred & Displaced - Christoffer Relander
監督はフィンランドのヘルシンキで映像制作会社を運営し活動されている映像作家の Anders Lönnfeldt さんです。
多重露光(多重露出)は1枚のフィルムに複数回重ねて露出する技法で、一度撮影した後同じフィルムにまた別の被写体を撮影することで、人の顔や服に空や花を重ねたりして幻想的な写真を撮ることが出来ます。
最近は多重露光撮影アプリなどもあるので利用されてる方も多いかもしれません。
写真は黒いフィルムに光を当てると白くなり当たっていない部分は黒く残ります。また光の強弱で中間の階調が表現され被写体が写し出されます。
その特徴を使って2回重ねる二重露光で撮影されているそうです。
いろいろな形の瓶を集めたら、綺麗に洗って瓶の中をひとつひとつ黒く塗ります。その瓶を撮影します。フィルムは黒く塗られた瓶の中の部分は黒く残りますが、瓶の周りは強い光で白くなります。また瓶の表面の反射している部分も白くなります。
瓶を撮影したフィルムをセットし収集する風景を探しに行きます。
次に同じフィルム上に風景を撮影すると、瓶の中の黒い部分だけに写し出され、このような作品が出来るそうです。動画内で瓶の中が映像になっているのも良いです。
シンプルな技法ですが、とても素敵な作品ですね。
Christoffer Relander さんのサイトです。
また多重露光を使用した他のプロジェクトの作品も見れます。
▶︎ www.christofferrelander.com