オーストラリアのアンソニー・ルーカス（Anthony Lucas）監督の2004年の短編アニメーション作品『 The Mysterious Geographic Explorations of Jasper Morello 』（ジャスパー・モレロの冒険）です。

この作品は以前紹介したシェーン・アッカー監督の『９』と同じ、2005年アカデミー賞短編アニメ映画賞のノミネートされました。
他にも多くの賞を受賞し、ノミネートされ、世界中から賞賛されました。13世紀頃を想定した、蒸気飛行船による26分間の冒険物語です。

エドガー・アラン・ポーとジュール・ベールからインスピレーションを受けたそうです。
『シャドーランズ』という独特のシルエットアニメーション手法でスチームパンクのレトロテクノロジーな世界観を見事に表現しています。

字幕はないのですが、ストーリーはわかり易いので、おおまかな内容は見ればわかると思います。
シーンごとに違う色の単色で表現されていて切り絵とか影絵風なんですが、3Dモデルを使っているので、立体感や奥行き、リアルさがあります。
スチームパンクな世界観がとてもかっこよく、切ないお話の作品です。音楽もいいですよ。▼ ジャスパーモレロの冒険

ジャスパー・モレロは飛行船の操縦士で王室の地図製作者です。

ある時操縦ミスで乗組員を殺してしまい、ひどく落ち込んでいました。

それ以来飛行船に乗れなかったのですが、王室から呼び出され、汚名返上も兼ねてある旅を命じられます。

その頃街では疫病が流行していて、たくさんの人が亡くなっていました。

ある浮遊島にその疫病を治す薬の材料になる生物がいるということで、愛する妻を疫病から救うため、王室の生物学者クロード・ベルゴン博士と一緒に旅に出ることになりますが…。
その旅の内容を記した航空日誌を読む形で、お話は進んで行きます。

声優は『スターウォーズ – エピソード２・３』のジョエル・エジャートン（ジャスパー・モレロ）、『マトリックス・リローテッド』のヘルムート・バカィティス（クロード・ベルゴン博士）。

2005年に日本でも一部で上映されていましたが、残念ながら日本版のDVDは出ていないようです。
でも輸入版のDVDを扱うお店や通販ショップなどで入手可能です。日本語字幕付きです。

監督は11歳でストップモーションアニメーションのこつを開発し、その後のCMやクレイアニメの仕事などで培ったテクニックを駆使して、切り絵、2D背景、3Dモデル、エフェクトを使ってこの作品を作製したそうです。

詳しい映像テクニックの詳細はこちらから。
⇒ Autodesk – Madman Entertainment / Anthony Lucas

オフィシャルサイトはこちらから。
⇒ Jasper Morello.com