アメリカの映像作家 Andrew S. Allen さんの短編アニメーション『The Thomas Beale Cipher』です。
未だに解読されていない実在する暗号文書「ビール暗号」を基にした、切り絵やコラージュ風な感じで色彩も良く素敵な作品です。
以前、トレーラーが公開されていて、内容はよくわからなかったのですが、アニメーションが素敵で気になっていた作品です。本編が公開されていました。
この作品は数々の賞を受賞されているそうです。
舞台は1940年のとある列車の中。暗号解読者の非凡な男、ホワイト教授は「ビール暗号」 を追っています。
しかし、新聞には自分の手配写真が…。
ホワイト教授が政府の追跡から頭を使って逃れようとするお話しです。
(ビール暗号の詳細は下部)
オープニングの新聞の見出しでは、若くして大学の教授となった彼を紹介する記事や、暗号解読で大統領賞受賞や軍に貢献した華々しい記事から一転し、大学を解雇された記事や、ドイツにアメリカの国家機密を漏らしたスパイとして指名手配者となった記事で、ホワイト教授の経歴を追っています。
アニメーションは平面的で、様々な柄のテクスチャが使われていて、切り絵やコラージュ風に作られています。色彩も綺麗でアーティスティックな作品です。
※追記:このアニメーションの中には16個のメッセージが隠されているそうです。
そのうち8個はよく見ればわかるかなり簡単なもの、6個はいろいろな暗号化方法を使っていて少し難しいもの、2個は天才的な思考が必要なとても難しいものだそうです。
映像の詳細をちゃんと読んでなかったようで追記でごめんなさい (_ _;)。
下に少し書いたのがこれにあてはまるのかわかりませんが、まだまだ隠されているので興味のある方は探してみて下さい。
アニメーションがとても素敵です。
右の人→が気になるw。
監督の Andrew S. Allen さん自身が、暗号解読にとても関心があるそうなのですが、オープニングの新聞の見出しに、ドイツ軍のエニグマ暗号機の暗号を解読した数学者アラン・チューリング (Alan Turing) や、暗号解読者のハーバート・オズボーン・ヤードリー (Herbert O. Yardley) の名前が載ってますw。
この作品のサイトです。
⇒ thomasbealecipher.com
「ビール暗号」とは、1885年に発行された小冊子で紹介された3つの暗号文書です。
1820年頃、トーマス・ジェファソン・ビールという男が、ヴァージニア州リンチバーグのホテルにたびたび現れ、仲良くなったホテルのオーナー、ロバート・モリスに鍵のかかった鉄の箱を預けました。
「10年経っても、自分もしくは自分に委任された人物が現われなかったら、鍵を壊してその箱を開けてください」との言葉を残して、二度とビールが現れることはありませんでした。
オーナーは20年以上経ってから、箱を開けてみました。
その中には数字が羅列した3枚の暗号文書とオーナーへの手紙が入っていて、手紙にはビールと仲間が発掘した大量の財宝を隠し、その帰りにホテルに寄り信頼出来る人物を捜していたこと、暗号の1枚目には宝のありかを、2枚目には宝の内容を、3枚目には財産を相続する親類縁者を記してあること、が書かれていました。
暗号を解く手がかりは、友人に預けてある手紙にあるとのことでしたが、オーナーのもとに手紙は届かず、オーナーは20年近くも人生を費やし暗号を解こうとしました。
結局解くことが出来ずオーナーは友人に打ち明け、その友人が冊子を発行し暗号文が広く知られるようになったそうです。
この友人は2枚目を解読していて、2枚目は「書籍暗号」(本のページや行、幾つめの単語かが、数字で記してあって、その単語をつなぐと文章になる) で、解読の鍵に使われていたのは「独立宣言」だったそうです。(トーマス・ジェファーソンだからだったりしてw。)
この友人は匿名で冊子を発行したので、誰だかわからないそうです。
多くの人達が解読を試みてるんでしょうが、未だに解読出来ず真相も謎のままなんだそうです。
(wikipedia:暗号文)
未だに解いてる人もたくさんいそうですねー。このアニメーションの監督も挑戦してるんでしょうね。アメリカの埋蔵金。本当にあるのでしょうか。